04 文武両道

新天地ではじめて友達になった彼はまさに文武両道という言葉がふさわしい。彼の名前はタカ。部の中でもトップチームにいたしクラスで成績優秀。そんなタカもはじめは僕を非難していた。後々、訪ねてはみたのだが、やはり目立っていたということだ。いきなり部外者が人の領土に入りその上目立っているともなると、槍が飛んでくる。当然のことだ。

 

タカが僕を非難していたのも少し納得がいく。でもタカは僕に話しかけてきてくれた。なぜなら、周りが湘南乃風などに没頭している中、僕はエミネムやブルーノマーズなどの洋楽を食い入るように聞いていた。幼い頃から海外のことが好きで日本のカルチャーはイマイチだった。

 

休み時間に一人机に座ってモンスタービーツのヘッドフォンで洋楽を聞く。タカはそんな僕が気になったらしい。当時誰一人モンスタービーツはおろか、ヘッドフォンユーザーも高校生の僕の周りにはいなかった。

 

そんなこんなで、僕とタカはよく話をし仲良くなったのだ。